ピエール・バイヤール/大浦 康介
筑摩書房
2016年10月06日頃
9784480097576
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精神分析医でもあるピエール・バイヤールによる読書論。
本書では「読んでいない本について堂々と語る」ための心構えを導くための前段階として、そもそも「本を読む」ことはどういうことなのか、「本について語る」ことはどういうことなのか、という2点を深く考察している。
本との付き合い方に一つの指針を与えてくれる本。
共有図書館共有図書館と呼ぶ共有図書館におけるその書物の位置付けを知っていれば良い遮蔽幕(スクリーン)としての書物と内なる書物遮蔽幕としての書物についてである遮蔽幕(スクリーン)としての書物は、その本について自分が知っていると思っていることの集合内なる書物が仲介し、読解の仕方を決定づける内なる書物は読者それぞれによって異なるので、書物の主観的な解釈の結果としての遮蔽幕(スクリーン)としての書物が生じるヴァーチャル図書館と幻影としての書物ヴァーチャル図書館が生まれるヴァーチャル図書館では、複数の遮蔽幕(スクリーン)としての書物が出会った結果、幻影としての書物が生まれ、これについて語られるわれわれはたんに〈内なる図書館〉を内部に宿しているだけではないからである。われわれ自身がそこに蓄積されてきた書物の総体なのである。 (p.94)
つまり、書物から抽出され、手直しされた抜粋によって、われわれの人格に欠けている要素を補い、われわれが抱えている裂け目を塞ぐ、そうした役割を果すのである。(p.154)
書物は固定したテクストではなく、変わりやすい対象 (p.174)
本は読書のたびに再創造される (p.214)
本を読むという行為について、これほど具体的に語られた文書は見たことがなかったので、一人の読書者として知見が広がったという感じがします。
読書が好きな理由の言語化が難しかったのが、この本を通してある程度、自分の中で腹落ちした感覚があります。
『読んでいない本について堂々と語る方法』というタイトルではありますが、本を読むことが好きな人こそ触れるべき著作だと思います。